採用動画コラム
採用動画の撮影当日の進め方|前日までの準備リストと、つまずかない段取り
2026.8.28
台本も絵コンテも用意できた。出演してくれる社員も決まった。あとは撮るだけ。そう思って迎えた撮影当日に、思わぬところでつまずくことがあります。空調の音が思ったより大きい、社員が緊張して言葉が出てこない、気づいたら予定より1時間押している。どれも、当日その場で慌てて何とかしようとすると、映像の質が落ちてしまうものばかりです。この記事では、採用動画の撮影当日をどう進めるか、前日までにそろえておきたい準備と、当日の段取り、よくあるつまずきへの対処をご紹介します。
INDEX
撮影当日は「新しく決める日」ではなく「決めたことを確認する日」です
まず前提としてお伝えしたいのが、撮影当日の出来は、当日までにどれだけ決めきれたかでほとんど決まるということです。当日になって「どこで撮りましょうか」「何を聞きましょうか」と相談を始めると、その分だけ出演者を待たせることになります。待たされた人ほど緊張が高まり、表情が固くなります。
ですから当日の役割は、決めたことをひとつずつ確認して、予定どおり撮り終えることです。逆に言えば、前日までに決めておく項目さえ押さえておけば、撮影そのものは驚くほど淡々と進みます。
前日までにそろえておきたい5つのもの
会社の規模の大小にかかわらず、次の5つがそろっていれば当日は動けます。紙1枚にまとめて、関係者全員に配っておくのがおすすめです。
1.時間割(何時に誰が、どこで、何を撮るか)
撮影業界では香盤表と呼ぶものですが、難しく考える必要はありません。「10:00 会議室セッティング/10:30 Aさんインタビュー/11:15 Bさんインタビュー/12:00 執務室の様子」といった具合に、時刻と場所と対象を並べるだけで十分です。出演する社員の方には、自分の出番の時刻だけを伝えておけば、業務を止める時間が最小限で済みます。
2.撮影場所の確保と、社内への周知
会議室は必ず押さえておきます。見落としやすいのが、撮影する場所の周りです。隣の部屋で会議が入っていると声が入りますし、廊下を人が通ると撮り直しになります。撮影する時間帯と場所を社内に一斉に知らせておくだけで、当日の中断がかなり減ります。
3.出演者への事前連絡と同意
出演する社員には、当日いきなりではなく事前に伝えます。何のための動画か、どこで公開するか、どれくらいの時間がかかるか。この3点が分かっていると、当日の表情がまったく違います。公開範囲や退職後の扱いといった同意の取り方は、別の記事で詳しくご紹介しています。
4.聞くことの一覧(インタビューがある場合)
質問は事前に渡すか渡さないかで迷われることがありますが、採用動画では事前に渡すほうをおすすめします。答えを丸暗記されるのが心配であれば、質問の一覧だけ渡して「考えてきていただかなくて大丈夫です」と添えておくと、身構えすぎずに準備してもらえます。
5.服装・背景・持ち物の指定
服装は「普段どおり」で構いませんが、細かい柄のシャツは映像で不自然にちらつくことがあるため、無地に近いものをお願いしておくと安心です。背景に映り込む場所は、前日のうちに片づけておきます。個人情報が書かれた書類、他社のロゴが入った箱、古い掲示物。この3つは特に映り込みやすいので、目線を下げて確認しておいてください。
当日の段取り:この順番で進めると崩れません
当日は、次の流れで進めると時間が読めます。
- 場所づくりから始めます。出演者を呼ぶ前に、机や椅子の位置、カメラの高さ、背景を先に決めておきます。出演者が来てから機材を組み立てると、その間ずっと待たせることになります。
- 音を最初に確認します。空調、冷蔵庫、プロジェクター、外の工事。実際に数十秒録って聞き返してみてください。映像の粗さは後から直せませんが、音の悪さは見る人の集中を最も早く切らせます。
- テストを1本撮ります。本番と同じ位置に座ってもらい、自己紹介だけ話してもらって再生します。ここで明るさ、音量、カメラの高さをまとめて直します。
- 本番は、軽い質問から入ります。いきなり志望動機や仕事のやりがいを聞かず、朝の過ごし方や担当業務といった答えやすい話から始めると、3分ほどで表情がほぐれます。
- 働いている様子を撮ります。インタビューの合間や後に、打ち合わせ、作業、社内の移動といった場面を短く押さえます。編集で言葉に映像を重ねる際に、この素材があるかどうかで仕上がりが変わります。
- 撤収する前に確認します。撮った映像をその場で再生し、音が入っているか、ピントが合っているかを見ます。そして機材を片づける前に、データを2か所へコピーします。
特に最後のデータの複製は省略しないでください。撮り直しがきかない撮影で、いちばん取り返しがつかない失敗がデータの紛失です。
よくあるつまずきと、その場でできる対処
準備をしていても、当日は必ず何かが起こります。よくあるものと、その場での対処をまとめます。
- 音が響く、雑音が入る:部屋の中央ではなく、カーテンや棚のある壁際に寄ると響きが減ります。空調は撮影の間だけ止め、休憩ごとに入れ直します。マイクは口元に近づけるほど雑音が目立たなくなります。
- 顔が暗い、逆光になる:窓を背にせず、窓に顔を向けて座ってもらうのが基本です。窓の光が強すぎるときはレースのカーテンを1枚引くと、やわらかい光になります。
- 出演者が緊張して話せない:カメラを見ないでよいと伝え、聞き手の顔を見て話してもらいます。うまく言えなかったところは、その場で「もう一度お願いします」と気軽に頼んで構いません。撮り直しは編集でつなげます。
- 予定より時間が押している:削るのはインタビューの本数ではなく、質問の数です。1人あたりの質問を減らして人数は確保するほうが、動画の見え方が良くなります。
- 機材の電池が切れる:予備の電池と充電器、それに延長コードは必ず持参します。スマホで撮る場合も、モバイルバッテリーがあると安心です。
スマホで内製するときの、当日3つのルール
社内でスマホを使って撮る場合も、考え方は同じです。ただ、最低限これだけは守っていただきたいという点が3つあります。
1つ目は、スマホを手で持たないことです。三脚がなければ、箱や本の上に立てかけるだけでも構いません。手ブレのある映像は、内容がよくても見続けてもらえません。
2つ目は、音を優先することです。静かな部屋を選び、スマホを話す人に近づけます。距離が半分になるだけで、声の聞き取りやすさは大きく変わります。
3つ目は、多めに撮っておくことです。話し始める3秒前から録画を始め、話し終わってから3秒待って止めます。この前後の余白があるかどうかで、編集でつなげられるかどうかが決まります。
リクムビでは、社内で撮れるところは撮っていただき、撮影の設計や当日の立ち会い、編集だけをお引き受けする形もご提案しています。初回だけ一緒に撮って進め方を覚えていただき、2本目からは内製に切り替えるというご相談も多くいただきます。
まとめ
撮影当日の出来は、前日までの準備でほとんど決まります。時間割、場所の確保と社内周知、出演者への事前連絡と同意、質問の一覧、服装と背景の指定。この5つを紙1枚にまとめて配っておけば、当日は確認しながら進めるだけになります。当日は、場所づくりを先に済ませ、音を最初に確認し、テストを1本撮ってから本番に入る。この順番を守るだけで、時間の押しも撮り直しもぐっと減ります。そして撤収の前に、必ずデータを2か所へコピーしてください。準備に使う時間は、当日の余裕と映像の質になって返ってきます。
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